音楽療法士さんに知って欲しいギターの魅力

 

皆さん、音楽療法セッションでの伴奏にどんな楽器を使っていますか?

 

ピアノやキーボードをご使用の方が多いと思いますが、今回はアメリカの音楽療法士の定番楽器、ギターの魅力を紹介します。「何故アメリカではピアノよりもギターが使われるのか?」ここには「単純にアメリカ人に親しまれている楽器だから」以上の理由があるのです。

 

ギターという楽器に大変な魅力があることは世界中で弾かれていることから容易に想像ができるため、今回は音楽療法で使う場合の利点にフォーカスして話を進めます。

 

音楽療法士にとってギターを使う第一の利点は、「持ち運びがしやすい」ということでしょう。場所を選ばずどこでも演奏ができて、アコースティックであれば電源も要りません。

 

小回りが効くので、大きなグループの中でも各クライエントの目の前まで行って演奏することが可能です。小さな子どもたちとのセッションでは、床に座って演奏することで目線を合わせることも出来ます。

 

このように、個別の歌いかけやアプローチが可能であることから、「注意を引きやすい」コミュニケーションが取りやすい」など、音楽療法でエッセンシャルとされる目的に届きやすいという大きなメリットがあります。

 

個別のセッションでも、クライエントと向いあった時に距離が近く取りやすいという取り柄があります。ベッドに寝ている方、体があまり動かせない方が対象であっても、クライエントの手元まで近づけることでギターに触れてもらうこともできます。

 

また、「演奏スキルがないクライエントにも弾いてもらえる」という素晴らしい特徴があります。

ジャイアントピック(特大サイズのギターピック)を使ってギターをかき鳴らしてもらうことも出来ます。

 

オープンチューニング(チューニング方法の一種)を使えば初心者のクライアントにギター奏者として合奏に加わってもらうこともぐんとハードルが低くなります。

 

これらの利便性から、ギターは「クライエントにとってもアクセスの良い楽器」と言えるでしょう。

その他、ギターは歌伴奏がしやすく、色々なパターンを学ぶことで多くのジャンルを弾くことが可能です。

 

ギターのボディをパーカッションの代替として使うこともできますし、ギターピックやアンプを併せて使うことで目的に合った音量・音質を作り出すことも可能です。

 

このように、環境や目的に応じてギターを使うことで、音楽とアプローチの幅がうんと広がり、質の良いセッションを行うことに繋がるギターは、「音楽療法におけて利便性と音楽性の高い楽器」であり、アメリカや諸外国の音楽療法で重宝されている理由です。

加えて、ピアノに比べて大衆向けギターは安価ですし、大人が始めるには取っ付きやすい楽器です。毎日少しずつ練習することで、数ヶ月もすればセッションで使い始めることができるのも大きな魅力です。

 

音楽療法に特化したギタークラス「MTギター講座の受講者様達からは、「ギターでこんなに簡単に作曲ができるなんて」「まさかブルースが弾けるようになるとは!嬉しい」「早速セッションで使ってみました」などのお声をいただいています。

 

Youtubeチャンネル「音楽療法研究所 Music Fits in Your Lifeにて、ギターを始めたい音楽療法士さん向けに、必要なアイテムの入手方法、ギターを弾くための最初の一歩など、お役立ち情報を配信しています。

是非ご覧いただき、音楽療法に活用できるギターの魅力をさらに知っていただきたいと思います。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLrguUvt_uJHnjGF_2QwsT-G5mXVaHJ7DO

 

音楽療法実践での伴奏楽器として優秀であることに加えて、他の目的にも応用できるギター。

 

音楽療法の幅をさらに広げるために、来年こそはギターを使えることを目標に、一緒に挑戦してみませんか?