細江 弥生
私は昨年京都で開催された世界パーキンソン病学会(WPC)でボランティア通訳を務め、その中でオープニング時の催しとして行われたコーラスにも参加しました。
そのコーラスのディレクターを務めたジュディーがファシリテーターとなり、WPC主催でオンラインのsing-a-long「歌会」を4月に4回開催してくれています。その第1回に参加したので、今回はその体験をみなさんにシェアしたいと思います。
歌会には、パーキンソン病の当事者の方、介護者、専門家など様々な方が世界中から参加し、中にはコーラスで一緒に歌った仲間もおり、同窓会のようで嬉しく思いました。参加者は総勢100名と大人数でしたが、ジュディーのリードで呼吸の練習や発声をした後、WPCのイベントでも歌った曲を皆で歌い楽しいひと時を過ごしました。以下に参加者として感じた成功の秘訣を簡単に述べてみたいと思います。
①小物の効果的な使用
司会者のジュディーがWPCのコーラス隊がつけた思い出のスカーフをつけて登場することによって、「つながり」を感じさせてくれました。
②寛容な雰囲気
多少の雑音や機械操作ミスなどは気にせず、お互い寛容になりパーフェクトを求めない雰囲気が参加者達をリラックスさせてくれました。その陰にはテクニカルな事をサポートしていたスタッフの力もあると思います。
③時間差を逆手に取ったアクティビティー
「woo-wa!(ウーワー!)」と口をしっかり開けて発声をする活動では、あえてミュートを外し、100人の参加者の声があちらこちらから飛び交いました。しかし、その無秩序な状態が面白く、参加者は大声で笑いそれが良い表情を動かすエクササイズにもなりました。
④オープニングとクロージング
セッション前にはストレッチを行い、最後には気持ちを落ち着かせるリラクゼーションのような儀式を行うことによって、メリハリあるセッションになり、またバーチャルから現実世界への切り替えがスムーズにできました。
以上のように、参加してみる事で自分がレッスンやセッションを行う時にも心がけたい様々なヒントをもらうことができました。オンラインレッスンやセッションは本当に事前準備や練習が大事です。参加してみると、主催者側はスムーズに簡単そうにやっているように見えますが、実は裏では事前に多くの時間を費やしてリハーサルや会議を重ねた上で行なっていることがほとんどだと思います。
かけはしの会でも皆さんが少しでも快適に参加していただけるように、スタッフは多くの時間をかけながら講座やイベントを準備しています。想像以上に準備に時間がかかり、柔軟さや対応力、創造力が求められるオンラインでのレッスン、セッション、講座ですが、その手間がかかっても良いものを届けたいと思われる方々をかけはしの会も微力ながらサポートできればと考えています。
このブログはもちろんのこと、今後開催される無料イベント、有料講座、ピアサポートや、本会のコンサルサービスなどを是非ご利用ください。