細江弥生
今回からしばらく何回かに分けて、音楽療法でよく出てくる「年齢による区分」を英語でどう表現するかについて書いてみたいと思います。第一回は「高齢者」です。
日本では65歳以上の人が「高齢者」と呼ばれますが、最近の60代は大変若く高齢者とは呼べない方も多くいる印象です。さて、英語では様々な言い方があるのですが、代表的なものをあげたいと思います。
まず「高齢の」という形容詞でよく使う言葉にelderlyがあります。
これをpeopleの前につけて”elderly people“=高齢者と表現する場面は大変多いです。この言葉は日常生活場面から論文やビジネスなど多くの場面で使うことができます。elderlyは形容詞なので後ろにcoupleをつけて「高齢の夫婦」と表すこともできます。
一般的に、「若い= young」「年をとった = old」と習うと思うのでold peopleでも良いのではと思う方も多いと思います。確かにold people というと高齢者を指しているということは皆理解するのですが、どこか軽蔑した言い方なのであまり使われません。ただ”older adults”や’older people”などはよく使われ、これらは医療系や福祉系の文書でもみかけます。
また、医学的、学術的な区分では “geriatric”という形容詞がよく使われます。
geriatric population =(集団としての)高齢者 という意味になります。論文などではこの単語をよく見ることも多いのではないでしょうか。反対にGeriatricは日常会話で高齢者を指すときにはほとんど使いません。
日常生活で頻度が多い言い方では他に”senior citizen”という言い方もあります。こちらは学術的な時でも使用可能です。
ちなみに日本では銀を意味する”silver”が高齢者を指す場合がありますが、これは英語では通じませんので注意です。
さて、年齢を意味する”age”は年をとるという動詞としても使えるので 、”aged person/people/adults” という言い方もありますが、私はあまり使いません。化粧品の広告などでいわれる「アンチエイジング=老化現象を防ぐ」という言葉にこの”age”が使われています。
しかし、最近は老いを防ぐよりもより良い老い方を目指そうという意味から ”successful aging”という表現がよく使われます。私も大学院時代に高齢者についての専門分野である “gerontology” =老年学を選択していた時に、このsuccessful agingについて学びました。
その時授業で出された課題は多くの高齢者について、または高齢者が書いたノンフィクションの本を大量に読んで議論するというものでした。その本たちはどれも素晴らしいものでした。人生の先輩から学べることって本当に多いと感じます。
発音は以下のサイトの「クイック再生」を参考にしてみてください
elderly: http://ejje.weblio.jp/content/elderly
couple: http://ejje.weblio.jp/content/couple
adults: http://ejje.weblio.jp/content/adults
geriatric: http://ejje.weblio.jp/content/geriatric
senior: http://ejje.weblio.jp/content/senior
citizen: http://ejje.weblio.jp/content/citizen
successful: http://ejje.weblio.jp/content/successful
aging: http://ejje.weblio.jp/content/aging
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