小沼愛子
今回の主役は「記号」、皆さんおなじみのこれです。➡ #
少しでも音楽を学んだことのある人なら「シャープ?」とすぐに思いつくかもしれません。
数日前、アメリカ人の音楽初心者(大人)から「この記号って何?なんて読むの?意味は?」と質問されたばかり。
「え〜っ、シャープの読み方も分からないの??」と思う方が多いかもしれませんが、アメリカでは皆が義務教育で音楽の授業を受けるわけではないため、さほど驚くようなことではありません。
それはともかく。
上の記号は厳密に言うと「シャープ」」ではないことはご存知でしょうか?
#が出てきたら、「ナンバー (番号)を意味する記号」という意味、というのが英語としては最も一般的です。(他にも意味がありますが、それは後ほど紹介します。)
#1、と書いてあったら、読み方も意味も「number one」で、音楽とは全く関係ありませんので、ミュージシャン脳をお持ちの方々はくれぐれもご注意下さい。
ちなみに、音楽のシャープ記号は、こちら。➡ ♯
ちょっぴり角度とか違っています。しかし、手書きなどの場合、全く見分けがつかない程度ですが。。。
さて、#には他にも呼び方や意味があります。その一つがpound (パウンド:日本語では “ポンド”と発音される)です。
電話関連のサービスで「・・・最後にシャ−プを押して下さい。」という音声を聞いたことのある方は多いと思います。実はあれもシャープではなくて番号記号なのですが、日本ではシャープを思いつく人の多いのでこうなった、という話を聞いたことがあります。(真実は定かではありませんが。)
では、「最後にシャ−プを押して下さい。」を英語で何と言うか?
ここで先ほどのpoundが登場し、「・・・最後にパウンドを押して下さい。= Followed by the pound key」となります。(なぜ pound keyとなったのかについては説明が長いのでここでは触れません。)
渡米後しばらく私はこの呼び方を知らず、留守電システムでこの音声が流れた時に、「パウンド?電話なのに、なぜにパウンド?」と 多いに混乱したものです。パウンドと言われて思いつくのは「体重」か「ケーキ」という当時の私でした・・・
さて、#の意味の続きです。
ごく最近「hashtag って何?」とある日本人MTから訊かれました。
日本ではそのままカタカナで「ハッシュタグ」と呼ばれているものですが、これまた、#と表記されることが一般的です。SNS「ツイッター(Twitter)」ですっかりお馴染みとなりました。
これについてはご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、説明のリンクを貼っておきます。
http://twinavi.jp/guide/section/twitter/glossary/ハッシュタグ(hashtag)とは
これは、「英語」というよりも「世界共通語」みたいなものかも、と個人的には思っています。それくらい 世界に一気に広まった言葉(記号)という印象です。アメリカ人の子供達が「ハッシュタ〜グ!」と、この記号を指で作って遊んでいるのを見かけたこともあります。今世界で大人気な記号、#です。
ここで今日のおさらいです。
#とは?
1)番号を意味する記号
2)イギリス通貨ポンド £(pound)を意味する記号
3)ハッシュタグ(hashtag)、もしくは、ハッシュマーク(hash mark)
4)「シャープ」と日本では呼ばれがちであるが、実は音楽のシャープ記号はちょっぴり形の違う別のものである。
調べてみたら、英語圏の人達もこの違いを厳密に理解していない場合が結構ある様子です。どれくらい混乱しているかは、以下のリンク先(English Forum)をご覧いただくと分かります。
https://www.englishforums.com/English/HowDoOneSayInEnglish/gxxwd/post.htm
一つの記号が複数の違った意味や呼ばれ方で使われているのは不思議な感じですが、このすべてがごく普通に使用されています。ご存知なかった方はこれを機に覚えていただくと今後役立つことがあるかもしれません。
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通りすがり (火曜日, 21 8月 2018 08:16)
「#」の読み方・意味
北米で
number sign, number
…番号記号
pound, pound sign(パウンド)
…英国通貨のポンド(£)ではなく、重さのポンド(単位記号:lb)、手書きのlbに横線を引いた記号が「#」。
hash, hash mark(ハッシュ)
…北米以外の英語圏での「#」の読み方。
Twitterの「hash tag」は、先頭に「hash」を付けた「tag」ということであって、「#」の記号そのものを「ハッシュタグ」と呼ぶのは本来的ではない。
…ということになっています。
ご参考まで。
JD (月曜日, 30 9月 2024 22:43)
混同を避けるためか英語圏では♯を読むときは
日本語のように単独でsharpと読むのはまずありませね。
一般的にはmusical sharpと読みます。
もちろん本文通り#1は別物として認識されてます。
著名な日本人のベテランラジオDJなどもよく混同してますね。
ナンバリングされたアルバムやコンサートをシャープ1と平気で読んでるのを何度も聞きました。