今回は不思議な単語“piggyback”についてご紹介します。
しかし、これは音楽療法士の多くが、セッションで普段行っている事なのです。
piggy は豚の事で、backは肩や背中を現します。
元々この言葉は「抱き合わせる」や「誰か他のものを利用する」という言葉の意味で使われる事が多いようで、例えば、乗り物が他の乗り物を運んだりする時に使ったり、Wikipediaによると、心臓の外科手術にもpiggyback法なんてものもあるそうです。「おんぶ」や「肩ぐるま」という意味にもなります。
音楽療法では「他のものを利用する」の意味の方を使用します。音楽療法士なら多くの方がやった事のある、「誰でも知っているような歌の歌詞を変えて作った歌」を“piggyback song”と言います。いわゆる「替え歌」です。
私は、ある患者さんが高齢者大学の健康の授業で教えてもらったというpiggyback songsをたくさん教えてもらいました。「お座敷小唄」の歌詞を変えた「ぼけない小唄」はとても面白かったですし、365歩のマーチをもじった「健康マーチ」も素晴らしかったです。また、パーキンソン病の方が作成した「ここに幸あり」の替え歌「我らに幸あれ」は患者さんの間で歌い継がれている素晴らしいpiggyback song です。
もちろん高齢者や大人だけでなく子供の歌を替え歌にして遊ぶ事も多いです。こども達は即興でpiggyback songを作るのが大人より上手だったりしますよね。
ソングライティングや、作詞・作曲活動が苦手な音楽療法士の方も、このpiggyback song 作りからやってみるとだんだん即興で歌を作る事が楽しくなってきたりもします。是非“try”してみてください。
piggybackは音楽療法のセッションでも良く行われる手法(?)であり、音楽療法士の為のソングライティング教則本などにもこの単語は良く出てきます。
piggyback は聞いた事なくても皆さんにとってとても身近な単語ですので、是非覚えておいてください。
補足ですが、piggybackは替え歌のカジュアルな言い方ですので、論文や正式な場所で話すときは
rewrite song lyric=「歌の歌詞を書き換える」
rewritten song lyric=「書き換えた歌の歌詞」
といった表現を使う必要があると思います。
発音は以下のサイトの「クイック再生」を参考にしてみてください。
piggyback http://ejje.weblio.jp/content/piggyback
rewrite http://ejje.weblio.jp/content/rewrite
lyric http://ejje.weblio.jp/content/lyric
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(細江弥生)
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