第6回目の英語は
“Session”
です。
この単語を知らない音楽療法士はいないと言っていいほど日本の音楽療法界に浸透している言葉ですが、もしかしたらまだご存知ない意味があるかもしれません。
〈発音〉
以下のリンク先の「音声を聞く」をクリックすると流れます。
Session: http://ejje.weblio.jp/content/session
〈意味・使い方など〉
日本の音楽療法界において、「セッション」は、「実際に音楽音楽療法を施行する時間」という意味で使われてきました。心理療法などでも同様で、実際にクライアントと会って療法を行う時間をセッションと呼んでいます。
当たり前のように上記の意味で使われてきたこの単語ですが、実は他の使い方が複数存在し、日本語訳もかなり沢山あります。全部紹介するのは難しいので、まずは音楽療法士に関係ありそうなこの単語の主な意味を私なりに簡単にまとめてみます。
1) (例えば治療など)特定の活動などに費やされる時間、立会い時間
2) 学校などにおいての学年・学期・開催期・授業(→これはアメリカ英語らしいです)
2) 各種ミーティング・会議・集いなど
こう並べてみると、私達音楽療法士が普段使っている「セッション」は、1) に当てることが分かります。
では、2) について例をあげてみましょう。
例えば、学校や施設関連の記述で、
“The summer session starts on July 1” と書いてあったら、
「夏学期(夏のプログラム)は7月1日から始まります」という意味で、アメリカではごく一般的な用法です。
3) は、音楽療法士の間でもよく使われています。
例えば、音楽療法の学術大会に参加中、“Did you go to any session this morning?” と同じ大会に参加している他の音楽療法士に訊かれたら、
「午前中、音楽療法のセッション(臨床)に行きましたか?」という意味ではなく、
「午前中、何か発表に参加しましたか?」という意味になります。
これは音楽療法士間で交わされる会話なだけに、「いつもの意味」についつい早とちりしそうですから要注意です。以下の説明を読んでいただくともう少し分かりやすくなるかと思います。
Session の基本的な意味は “sitting together” (直訳すると「一緒に座る」)という感じで、「2人以上の人間が集まって何かをする」というところから来ているようです。この元来の意味を知っていると、上記のすべてが当てはまることが分かって納得、覚えやすいです。
日本でも、ミュージシャンが集まって一緒に演奏することを「ジャム・セッション」と言うのをお聞きなったことがある方も多いでしょう。これも、「集まり」を指す用法であることがお分かりになると思います。
この単語には、裁判用語やコンピュータ用語としての意味もあり、その使われ方は多岐に渡っています。その全てを把握することはかなり難しそうですが、音楽療法に関連のあるところは押さえておきたいところではないでしょうか。
沢山の用法があるこの単語、他の使われ方にご興味のある方は、以下のリンクからご覧になれます。
http://e-words.jp/w/セッション.html
次回のこのコーナーでは、音楽療法におけるこの単語の使い方について、スタッフ細江が補足の説明を書いてくれることになっています。是非ご覧ください〜。
(小沼愛子)
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