小沼愛子
ブログ168に引き続いて「燃え尽き症候群=バーンアウト・シンドローム」の話です。
前回その症状について書いたところ、「自分にあてはまっている部分があってドキッとした」などの感想をいただきました。
多くの方がお気ずきになったかと思いますが、この症候群、前回あげた症状を読む限りでは、鬱との違いが不明瞭なのです。
第一にあげたい大きな違いは、「鬱」は正式病名となりえますが、「燃え尽き症候群」は状態を表した言葉で、疾患名ではありません。この点は日本もアメリカも同じなようです。
日本語と英語で燃え尽き症候群についてあれこれ読んでみた結果、「燃え尽き症候群の概念は個人や団体によって違っているようである」という結果に至りつつあったのですが、そのことが、U.S. National Library of Medicine のウェブサイトではっきりと示唆されていました。
そのサイトいわく、「共通した概念が存在していないため、燃え尽き症候群と判断することや他の病気などとの区別が明確ではない」そうです。また、同サイトに、「鬱と燃え尽き症候群の違いは?」というセクションがあったので、少しご紹介します。
まず、共通点から。
1)極度の疲労感
2)無気力
3) 活動の低下
続いて、鬱にはあるけれど、燃え尽き症候群にはない、とされる点。
1) 自尊心の低さ
2) 絶望感
3) 自殺傾向
これを読んで納得のいく方と、やっぱり境目が分からない!と思われる方がいらっしゃる気がします。それは、それほどこの症候群の概念がはっきりしていない、という証拠かもしれません。
たとえば、「多くは仕事上のストレスから燃え尽き症候群に陥る」という点は、日本でもアメリカでも共通しています。その一方、日本では、「スポーツや受験などに一心不乱に打ち込んだ後の若者が無気力になる状態」も燃え尽き症候群と捉えられることがあるようですが、これはアメリカでの燃え尽き症候群の概念には加えられていないのが一般的なようです。
さて、前にあげたU.S. National Library of Medicineのサイトのみならず、いくつかの日本語サイトでも、「鬱病と症状が似ているために誤診されることがあり、診断には慎重になるべきである。間違った診断によって間違った治療が行われてしまう可能性がある。」ことを示唆しています。
概念はともあれ、間違った治療は絶対に避けたいことではないでしょうか・・・
さて、今回も予想外に長くなってきたので、続きは近日中にこのブログに書かせていただきます。
最後になりましたが、日本では関東など梅雨明けとなった地域もあるそうですね。本格的な夏の到来、皆様、熱中症などにお気をつけてお過ごし下さい。
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