小沼愛子
前号からの続き、日本音楽療法学会2014年度研修・講習会についてリポートです。今回はこのイベント2日目の様子をお伝えします。
まずは1日目と違う点を書いてみます。
1)参加するコースが選べず、参加者全員同じ会場で同じ講義を聴講すること
2)朝から夕方まで一日中の講習会であること(一日目は午後のみ)
3)会場ロビーに特設コーナーがあって、音楽療法関連の楽器や本を含めたグッズの販売をする出店があること
まず最初に、出店はやはり楽しいものです!
アメリカの学会でも大規模なものがあって毎回盛況ですが、日本で見るのが初めてだった私はとても新鮮に感じつつウロウロしていていると、楽しそうに商品を手に取ったり、購入している方々を沢山お見かけしました。この盛り上がりは世界共通な気がします。
「もうすぐ午前の部が始まりますよ」とお声をかけていただいて、会場「一ツ橋ホール」に入ります。800人定員のホールに300人余りの参加者数でしたが、後方の席がブロックされていたために閑散とした感じもない上にゆとりがあって良い感じでした。
午前9時から5分間、事務的なことなどのガイダンスがありました。9時丁度にブザーがなり、きっちり始まります。「そんなの当たり前」と思われる方が多いと思いますが、アメリカのいい加減さにすっかり慣れてしまっている私は、そのキッチリさに思わず拍手したくなったほどです。
これまた時間ピッタリに始まった9時5分からの午前の講演は、「こころの響き合い:生気情動、情動調律とコミュニケーション的音楽性」のタイトルで開催されました。
講演者である渡辺久子先生の著書、「母子臨床と世代間伝達」を読んで予習していたこともあって、お話が聴けるのをとても楽しみに参加しました。本の内容、講演タイトルから、「落ち着いた感じの講演」を想像していましたが、渡辺先生はエネルギーに満ち溢れた方で、講演はダイナミック、沢山笑いが起こりながら進行しました。予想されていた理論のお話よりも実体験的なお話の方が圧倒的に多く、リラックスして聴けた参加者が多かったのはないかと思います。
講演はお昼まで続き、一時間の昼食時間休憩。
休憩後半には、話題の映画、「パーソナル・ソング」が紹介されているテレビ番組のビデオがステージ上の大画面で上映されました。
ビデオ上映が終わって、午後の部の開始です。
午後1時、「理論と実践を繫ぐ、臨床即興の様々な手法について」のタイトルで講演が開始しました。
これは私自身が講師だったため、これについて書こうとすると反省点の羅列になってしまいます・・・なので、会場からの反応などについて少し触れさせていただくことにします。
講演者には直接話しかけづらいと思った方々もいらっしゃったようですが、休憩時間、講演終了後に、初対面の方々10名ほどと直接お話できる機会があり、コメント、ご質問等をいただきました。私にとって、これらの機会は最も実りある時間のひとつでした。
「講義内容を、実際のクライアントとのセッションにどう応用できるか」という定番質問もあれば、予想していなかったユニークな質問もありました。
「即興は苦手で避けきたけれど、講義が分かりやすくて自分もやってみようという気になった」というコメントを複数いただき、ほっとしました。(というのも、分かり易いように話して欲しい、という講習委員会からのご依頼だったからです。)
午後4時5分前に講演が終了し、この講習委員会の委員長である高山仁先生からまとめのご挨拶があり、すべてもプログラムが終了となりました。
個人の裏事情を書くと、満身創痍で挑むこととなった講演であり、思うように出来ないことが多々ありかなり落ち込みもしたのですが、何といっても繋がりが広がったことに感謝しています。
この講演をきっかけに本会の会員になって下さった方々、個人的にメールを下さった方々、本当にありがとうございます。また、お話する機会がなかった方々も、ご聴講ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。
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