細江弥生
去る3月6日と7日に奈良で開催された、日本音楽療法学会近畿支部学術大会で講習会の講師を担当させて頂きました。
トピックは「音楽療法におけるリサーチの重要性」という大変幅の広いものでした。
音楽療法における根拠に基づく臨床の考え方の紹介や、臨床だけでなく音楽療法士としての成長や啓蒙に研究がどう関わっているか、など少し「研究」というと堅苦しく聞こえるものを身近に感じてもらい、研究者でなくとももっと研究に日々関わって頂くきっかけになればと思いを込めてお話ししました。
大学や大学院に在籍していた頃に研究に嫌悪感を感じるクラスメートも多くいたので残念に思いましたが、それよりも残念だったのは臨床をしている方の中にも「研究は、臨床をしている自分にはあまり関係ないもの」と考える方がいることです。
研究こそ臨床に必要と思っている私は、その壁を払うにはどうしたらいいのだろうとずっと考えてきました。そんなとき、近畿支部の講習会実行委員の方々から今回のお話を頂き、また私と同じような思いをもっておられ賛同してくださったことを大変嬉しく思いました。また機会があれば、もっと具体的な事や面白いこともお話しできればと思います。
余談ですが、心理の同僚は昔研究を学んでいた頃、「論文はまず疑いの目で読め。”フムフム”と読むものじゃない」と教えられたそうです。私自身確かに有名な先生、有名な雑誌など肩書きにだまされて信用して読んでいる論文もたくさんあります。
テニスプレイヤーの錦織選手もマイケルチャンコーチに叱咤されていました。「君はフェデラ選手と戦えるなんて光栄だと思った時点で負けている」と。
論文や研究は勝ち負けではありませんが「すごい先生の論文」と思った時点で「公平な目」は失われているのかもしれません。私自身もこれからもっとたくさん研究とその意義を学び皆様に再び何か発信できたらと思います。
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