細江弥生
先日鹿児島市で行われた「日本難病医療ネットワーク学会学術大会」に参加してきました。
鹿児島は大学時代に訪れたきりでしたので、とても楽しみにしていました。「日本難病医療ネットワーク」という学会はまだできて間もない学会です。
平成16年から始まった研究会が学会へと成長し、昨年度から学術集会も開催されるようになったそうです。
今回の大会は学会となってからまだ2回目だったそうですが、全国から難病医療・介護に関わる専門家が参加し、多くの発表や講演、シンポジウムが行われました。
私は現在回復期のリハビリ病院に勤めているので、どちらかというと病院の中での治療や訓練に関わる事が多い状態です。しかし今回の学会では、「地域医療、在宅医療・介護」を支えるお話が多く、患者さん達が入院する前、また退院してからの生活がなかなか見えない自分にとって、大変勉強になる学会でした。
リハビリ病院では「良くなる事」に焦点を置く事が多く、リハビリ部門の専門家は自分たちの専門技術・知識を駆使して、いかに患者さん達の機能が回復するかに重きを置く事が多い傾向にあります。
もちろんそれは大切な事なのですが、進行して行く難病の患者さん達や家族にとって「いかに病気とともに生きていくか」「どう、自分の人生を進めていくか」という「機能回復」とはまた違ったニーズも重要になってきます。まさに「クオリティー オブ ライフ」が重要な領域です。まだまだ行政のサポートや人々の理解が低い中、患者さんや家族に寄り添いできるだけのサポートを行っている医療、福祉従事者の方々の発表に涙せずにはいられませんでした。
学会の発表を聞いて「泣く」という事はあまりないのですが、お恥ずかしい話今回の学会では「泣かない」ことが難しい発表の方が多かったです。
シンポジウムなどでは、実際に難病と闘いながら同じ難病患者を支えるNPO法人を立ち上げたり、作業療法士として活躍する方、家族会を設立する方などの話を聞く事ができました。
難病の中でも急速に良い治療薬が開発されているものもあり、自分の医学的知識や思い込みをアップデートする良い機会にもなりました。
難病治療の権威でもある大阪大学の望月先生の難病における遺伝子治療の最新情報についての講義でも「いま、難病治療はここまで進んでいるのか!」と驚かされました。
治療薬や治療方法の進展に患者さんは多くの期待をしています。
研究者や医者の言葉で絶望に突き落とされる人もいれば、希望を持つ人もいます。
臨床をする者も研究をする者もそういった患者さんの心理に配慮しながら「発言する」という事を重く受け止めなければいけないなと、今回の学会でも再確認しました。
次回は、私自身の発表も交えリポートします。
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