小沼愛子
皆さんこんにちは。私は7月14日までオーストリアで開催されていた第14回世界音楽療法大会に参加して参りました。今回はそのレポートです。
この大会の案内には、開催場所がウィーン/クレムスと記載されています。実際、大会開会前日のセミナーはウィーン国立音楽大学で開催されたのですが、実はウィーンで行われたのはそれのみ。大会はすべてクレムス(Krems)という小さな町で開催されました。
なぜ開催地がウィーンとクレムスの2つに別れていたのか?と思う方もいらっしゃるでしょう。ウィーンはやはりネームバリューがありますから、開催地にウィーンを入れることで集客を狙った、という話を大会開催スタッフから聞きました。しかし、ウィーンは物価が高く、すべてをそこで行うことは困難だったということです。
しかし、私もそうでしたが、クレムスという地名には全く聞き覚えがない、という方が多いと思います。
ウィーンのダウンタウンからクレムスまでは電車で約一時間。クレムスに近づくにつれ緑が増していきます。ドナウ川が脈々と流れる町クレムスではぶどう畑が至る所に見られ、古いヨーロッパの美しい建築物が続く町を、ぶどうの段々畑で囲んでいるかのようです。思わずため息が出るような美しい風景が至るところで見られます。ウィーンからの移動を億劫に感じていた私も、クレムスの魅力にすぐに虜になりました。
町全体もそうですが、大会会場がコンパクトで移動し易かったのはとても良いポイントでした。一方、会場が小さくてすぐに満員になってしまうプレゼンテーションも多数見られ、入室できずに悔しい思いをした人は多かったと思います。私も3つほど楽しみにしていた発表やワークショップに参加出来ずかなりガッカリしました。
プレゼンテーションの総数は韓国で開催された前大会に比べて100ほど多く、400を超えていました。数は大きくなっている一方、プログラムの紙のサイズは半分だったため、プログラムを隅々まで読むのは結構大変でした。
今回の参加者は前大会より300人ほど少なく1000人あまりでした。もちろん、ヨーローパ諸国からの参加者が多かったのですが、その中で際立っていのが日本からの参加者数が上位にあったことです。参加者の大半が白人が占める中、アジア人を見かければ日本人であることが多く、アジア人が参加者の過半数を超えていた前大会とはかなり違ったムードでした。
日本人参加者の皆さんの多くが発表をされていて、堂々たる英語での発表に本当に感心させられました。中には「英語での発表は初めて」という方々もいらっしゃって大変緊張されていたそうですが、皆さんしっかり準備をされて綺麗にまとめていらっしゃり、さすが!と日本人の長所をあらためて認識できました。
大会初日、朝一番で日本音楽療法学会による、第15回大会招致のプレゼンテーションが行われました。そのプレゼンテーションも大変よく準備されたもので、楽しく拝見させていただきました。私の日本びいきを差し引いても、良質なプレゼンテーションだったと思います。
閉会式にて日本が次の開催地に決定したことが発表され、日本と開催会場つくばについての案内ビデオが流れました。
会場にいた人達の多くが日本での開催を歓迎している様子で「これから3年間、日本に行く旅費を溜めるわ」と言うヨーロッパ人が沢山いました。大会が準備したイベントも楽しく、参加した人達からは良いコメントが多く聞かれました。
上の写真にありますが、次回大会のテーマは、「Moving Forward with Music Therapy, Inspiring the Next Generation」ということです。
とても素敵なテーマで嬉しくなりました!
このレポートの続きは数日中に書いてアップしますのでまたご覧下さい。
また、前世界大会(2014年@韓国ソウル市)のレポートをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
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