細江弥生
先月11月21日から23日にかけて東京ドームホテルにて開催された「日本神経治療学会」の学術総会に参加してきました。
この学会は様々な神経疾患に対するより優れた治療法を確立する事を目指しているため学会のお話はやはりほとんどが治療や手術に関することや薬の話等が多く、リハビリに関するお話はほとんどありませんでした。
私はリハビリの現場で働いているので、その分野の発表もたくさんあるのかなと期待していましたが、それでもそれぞれの神経疾患の最前線の話はとても勉強になり、薬の副作用や、様々な周辺症状などリハビリを行う上でも知っておくべき重要な事が盛りだくさんでした。
最終日には兵庫県の公立八鹿病院に設立されている「神経難病と音楽療法を考える会」が主催したイブニングセミナーに出席しました。
その中では神経学的音楽療法(NMT)を考案し研究し続けているコロラド大学のマイケル・タウト先生がNMTの手法やその研究結果の概要について話しました。
その後は三重大学で音楽と脳に関する様々な研究をされている佐藤先生が認知症/アルツハイマー患者に対する音楽療法の今までの研究結果をまとめ、これから音楽療法が医療の中で使われていく為にはどういった事を研究していかなければいけないかという事について話しました。
今までの研究をみてみると中核症状と言われる脳機能やADLに直結する機能向上には今までの音楽療法の研究ではなかなか効果が出ていないのですが、BPSDと言われる心理や行動的な症状に若干効果がみられる傾向があるそうです。
その後の発表は帰りの新幹線の時間が迫り聞く事ができなかったのですが、京都の町家で行われている地域に根ざしたリハビリテーションの取り組みやパーキンソン病患者達に対する音楽療法とその効果についての発表がありました。
さらにはその後に、パーキンソン病と闘いながら歌手活動を続ける樋口了一さんの対談とミニコンサートがありとても残りたかったのですが、後ろ髪ひかれる想いで帰路につきました。
「神経難病と音楽療法を考える会」は、毎年この神経治療学会で音楽療法に関わるイブニングセミナーを開催しているようです。学会出席者はもちろん無料ですし一般にも1000円という大変ありがたい料金で公開されています。
また、来年もどのようなテーマで開催されるのか大変楽しみです。
今年も様々な学会や研究会に参加させていただき学びの多い年となりました。来年もどのような新しい発見に巡り会えるのかわくわくしています。
クリスマスも過ぎいよいよ押し詰まってまいりましたが、どうぞ皆様よい年をお迎えください。
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