細江弥生
季節の変わり目に体調を崩してしまい、なかなか前回の続きを書くことができませんでした。皆様はいかがおすごしでしょうか?
ずいぶん時間が経ってしまいましたが日本音楽療法学会学術大会の2日目の報告です。
土曜日、日曜日を通してたくさんの口頭発表やポスター発表、シンポジウム等が行われました。たくさんの発表が同時に開催されるので1つを選ぶのは中々難しいですね。たくさんの発表の中で私は主に震災のサポートを考える発表に行ってきました。
「東北音楽療法推進プロジェクト:えころん」の代表理事である智田さんが司会を務めた「日本大震災被災者への音楽による援助を考える 第三報」というシンポジウムでは
- 「親子へのアートワークショップとのコラボレーション」をしながら音楽を使った支援をしている地元の音楽療法士の方
- 「1被災者として、またセラピストとしての苦悩や経験」をお話ししてくださった音楽療法士の方
- 「被災地の外からの支援」という立場で兵庫県音楽療法士会会長の松崎さん
が発表されていました。多角的に震災とその後のサポートの経過また現状やこれからの問題点が的確に発表され、震災の爪痕に胸が痛むと同時に現場での難しさが痛烈に伝わってきました。それとともに、支援を通してのセラピスト同士の強いつながりや交流に感銘もうけました。
セラピストは強くいなければいけないと私は全く思わないのですが、そういった誤解も多くあるかもしれません。そういった中、特にセラピストであると同時に被災者でもあり、その気持ちや自分の気持ちの変化等を赤裸々に語ってくださったことは大変勇気ある行動だと思いました。
口頭発表では福島学院大学の佐藤敦子先生も福島での支援活動について発表をされていました。原発事故も絡み、他の県とは少し違った支援の方法が必要とされる事や、ご自身の失敗経験なども包み隠さず話し、先生の被災地支援に対する熱い想いが伝わってくる発表でした。
今回は私も現在勤務中の病院での症例「アルツハイマー型初老期認知症患者へのソングライティングによる自己表現の促し」について発表させていただきました。
日本の学会では制限時間に必ず終わらせなければいけなくてはならず、7分〜15分という大変短い発表が多く、まだ慣れない私は練習のしすぎで終了時間数分前に終えてしまいました。なにしろ早口な物で、もう少しゆっくりしゃべれば良かったと反省しています。
質疑応答では大変ためになるコメントや質問も頂き、プレゼンテーションの後も質問者の方々とじっくりとお話させていただき、これからの発展の仕方に参考になる意見を聞かせていただきました。
発表以外にも以前「音楽の科学研究会」で発表させていただいた「音楽を使った社会性アセスメント」に興味を持ってくださった先生とお話ししながら話は広がり、音楽療法のこれからの課題や展望について盛り上がりました。音楽療法の話で手を叩きながら興奮したのは久しぶりでした(笑)
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