小沼愛子
前回のブログで、「Music Cognition」の日本語名を教えて下さい!、と皆様にお願いしましたが、その後、「日本音楽知覚認知学会=The Japan Society for Music Perception and Cognition 」という団体があることを知りました。
実は、アメリカにも同じような名前の団体「Society for Music Perception and Cognition (SMPC)」が存在しています。どちらの団体も1980年代後半に設立されたようです。
また、この2団体のウェブサイトには、「The International Conference on Music Perception & Cognition (ICMPC)」(音楽知覚認知国際大会)との関連が書かれているので、国際的に繋がりのある分野であることも伺えます。
2008年には、この国際大会が札幌で開催されたそうですから、このブログをご覧の方の中にも、この学会についてご存知だった方がいらっしゃるかもれしません。
調べているうちに、「現時点でのこれらの学会と音楽療法の関わりは?」という疑問が湧いてきましたので、今回は少し脱線して「音楽知覚認知学会」の紹介のような記事になっています。
前回ウィキペディアから引用した「Music Cognition」の定義には、「音楽療法」もお仲間に入れていただいていた為、すっかり気を良くしていた私ですが、今回、この2つの「音楽知覚認知学会」のウェブサイトを拝見し、どうやら甘い考えだったようだ、と認識をあらたにしています。
SMPC(アメリカの音楽知覚認知学会)のウェブサイトの冒頭には
「SMPC は Music Cognition の研究を主な活動とする学究的な組織です」と明記されています。
それに続いて「SMPCの目的」という部分には
「音楽理論、心理学、精神物理学、言語学、神経学、神経生理学、行動生物学、民族音楽学、人工知能、コンピュータ・テクノロジー、物理学とエンジニアリングを含む幅広い領域から音楽の科学的かつ学究的な理解を進めること」
とあるのです。
今のところ、音楽療法は、その「幅広い領域」には含まれていないようです、、
残念!
次に、「日本音楽知覚認知学会」のホームページ冒頭「本学会のご紹介」を本文そのままで転載させていただきます。
「音楽学、心理学、音響学、情報科学、音楽教育学、医学・生理学、およびそれらの学際領域の研究者間の連携共同によって、音楽の知覚・認知に関する進歩を図ることを目的とする学術団体です。」
ということで、残念ながら、こちらにも音楽療法は含まれていません。ちなみに、ICMPC(音楽知覚認知国際大会)のウェブサイトでも同様の結果でした。
2012年12月現在、音楽療法はこれらの学会からいまひとつ認知されていないような印象を受ける結果となりましたが、間違いなく音楽療法と関連の強い分野であり、相互交流や共同研究や少しずつ増えていくのではないか、と期待しています。
全くの勉強不足で「日本音楽知覚認知学会」を知らなかった私ですが、今後は発表されている論文を読ませていただいたり、もう少し積極的に勉強させていただきます。
ご一緒に勉強して下さる方がいらしたら、是非ご連絡下さい。
このような現実を知ると、先月私が発表をさせていただいたNorth East Music Cognition Groupは、無名の音楽療法士の臨床に関しての発表をさせて下さったわけですから、意外に懐が深い団体なのかも、、、という気がしてきました。
次回ブログでこそは、この団体とその定例会について書かせていただきます。
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